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働き方改革の先を見据えて取り組むべきこと――ドクタートラスト

2004年に創業し、主に産業医を企業に派遣する業務を行っている、株式会社「ドクタートラスト」。上場企業を中心に約3,000社と取引し、従業員数は正社員が65名、アルバイトスタッフが10数名という同社が、取り組んでいる「働き方改革」について、お話を伺いました。

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。2月1日~4日の放送では、株式会社ドクタートラストの取り組みをご紹介しました。

改革の改革

「企業の安全衛生・健康管理を担う会社として創業したので、社内ではその見本となるような先駆的な形をとっていかなくてはならない。『改革の改革』をずっと続けています」

代表取締役・高橋雅彦さんがおっしゃる通り、残業禁止、通常1日8時間労働のところ7時間半、有給休暇は入社すぐに20日取得可能……など、当初から、かなり先駆的な取り組みを行ってきました。

業務上、残業はどうしても生じることがありますが、夜8時30分を過ぎる場合は社長の承認が必要で、それに違反すると担当役員が反省文を書くことになっているとのこと。誰かひとりでも遅くなる人が出ないように、みんなで助け合う「協働(きょうどう)」を心掛けているのだそうです。

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高橋社長


この他、「副業・兼業可能」というのも先駆的です。
「実は、地下アイドルとして活動している広報部の女性社員がいましてね、Twitterのフォロワーが非常に多くて、『その人たちに、産業医を企業に派遣するという仕事があることを伝えてもらう』というので、認めざるを得なかったんです」と高橋社長。
また、「執筆活動を本業にしたいので辞めたい」と言った社員には、5日間のうち2.5日を働いてもらうようにお願いしたそうで、結果的に、いろいろなコネクションができて会社の幅が広がっているそうです。

ユニークな制度によって、会社が得るもの

ドクタートラストが実施するユニークな制度の一つ、「元気回復休暇」についても伺いました。これは、メンタル不調の社員が出たとき、直属の上司の判断で、すぐに3~5日の有給休暇を取らせるという制度です。

「通常は、病院に行くことが多いのですが、それよりもまず必要なのは『休養』なんです。肝心なのは、早く実施すること。上司が気付けるか、が重要なんです」と、高橋社長は語ります。

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また、本社を構える渋谷の近くに住めるというユニークな制度が、「特別住宅手当」です。これは別名<渋谷手当>と言い、渋谷区に住む人には月額6万5,000円の家賃補助をするというもの。これを利用して、新入社員の6~7割が渋谷界隈に一人暮らしをしているそうです。

「会社の近くに住むことで体がラクですし、渋谷に住むことで得られる人脈・価値が大きい。『職・住・遊』が近接なんです。渋谷に住む若い人たちが40歳ぐらいになったらどうなるか、見てみたい」という高橋社長によれば、休日にも社員同士が会うようになっているなど、コミュニケーションが増えているとか。
会社の出費はかさむものの、それ以上に得るものが多いようです。

社員が職場復帰しやすいだけでなく、社内が和む「託児所」の存在

ドクタートラストが社内に設置したという「託児所」についても、話をお聞きしました。

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「従業員数が30名台だった数年前、女性の課長が妊娠・出産したんですが、家の近くで保育園が見つからず職場復帰できない、ということでした。じゃ、社内に保育園(託児所)をつくろう、と」ということで、保育士を雇って社内託児所を始めたのが最初。「小さいお子さんが社内にいると、和むんですよね。これは他社にも勧めたい!」と高橋社長は強調します。

この社内託児所の立ち上げに関わった「ウェルネスサービス推進課 兼 保育室・保育士」の吉沢夏希さんによれば、そのメリットは小さくありません。

「保育園に入れない待機児童は、ポイントが足りなくて入れないことが多いんですね。フルタイムで働いていることが最低条件ですが、育児休暇が明ける前に仕事に復帰していると、ポイントが加算されて保育園に入りやすくなるんです。なので、社内に託児所があると、子どもを連れて仕事に来るだけでポイントが加算され、優先的に保育園に入れる。女性社員が仕事復帰してくれるようになるんです」

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吉沢夏希さん


社内託児所をつくることで、優秀な社員が職場に復帰してくれる。
これは会社にとって、大きなメリットではないでしょうか。

職場環境を良くしていくためにするべきこと

また、週2.5日(時間数換算で週20時間)勤務の「時短正社員」として「兼業・副業」を実践している、広報部の八谷未亜さんにもお話を伺いました。

「以前は出版社で激務をしており、『仕事=人生』でしたが、いまは、いろいろなことがあっての自分の人生だと感じています。広報なので、兼業の“執筆”が生きていますね。週20時間しかないので、集中して仕事をしています。こういう働き方がもっとあって良いと感じます」

最後に、高橋社長から「『働き方改革』とは職場環境を良くするということ! 単に残業を廃止すればよい、というようなことではなく、社員同士の距離を縮めていくことが大事」だと語っていただきました。


今週のお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は・・・『職場環境を良くすれば、自然と業績アップ!』でした。

職場環境が改善すれば、働く人の人生にも良い影響があり、仕事に前向きに集中できるようになることで、業績アップにつながるのですね。

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■「RECRUIT THE WORK SHIFT」バックナンバー

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