
アニメ『BLEACH』OPで初のタイアップ! w.o.d.が曲に込めた自分たちらしさは?
w.o.d.のサイトウタクヤ(Vo, Gt)が、自身の音楽のルーツや、新曲『STARS』に込めた想いを明かした。
J-WAVE(81.3FM)で放送中の番組「SONAR MUSIC」内で、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。本記事は、過去の放送から、w.o.d.のサイトウタクヤさんの楽曲に込めた想い、アーティスト人生に影響を与えた楽曲との出会いについてのお話をご紹介いたします。
※J-WAVE NEWS 2023年8月3日掲載記事を一部編集し転載しています。
子どもの頃から知っていた人気作だから「すごく自然に曲が作れました」
兵庫県・神戸出身で3ピースロックバンドのw.o.d.。元々は中学生の頃に同級生だったサイトウとKen Mackay(Ba)によって結成された。そんなw.o.d.は新曲『STARS』を7月9日に配信リリース。同曲はアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』(テレビ東京系列ほか)のオープニングテーマとなっている。今回は同曲に込めたw.o.d.らしさについてサイトウに語ってもらった。
サイトウ:新曲『STARS』はアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』のオープニングテーマに採用してもらいました。タイアップというもの自体初めてだったんですけど、『BLEACH』は子どもの頃からマンガやアニメで知っていたので、すごく自然に曲が作れました。リクエストがいっぱいあったわけではなく、いつも通りw.o.d.が出す新曲として作れたと思っています。
『STARS』というタイトルですが、『星の王子さま』という本が俺のバイブルみたいなもので。星の王子さまは目に見えないものを大事にしているというか、本の中に「本当に大事なものは目に見えない」という一節があるんですけど、そういうことを考えながら作りました。『BLEACH』の設定ということよりも、そういうものがテーマになっていると思います。
曇った夜空って星が見えなくても、その向こうには星が存在しているじゃないですか。大人になっていくにつれて、目に見えるものだったり、どんどん見えていくこともあると思うんですけど、目に見えるものばかりを気にしていては、本当に大事なことを見逃してしまうと、生活をしてる中でも思うことがあって。
もちろん『BLEACH』のイメージも持って曲を書いたんですけど、自分の生活みたいなものが曲の中に入ってないと説得力がないし、それは聴く人にとってもそうやろうなと思って。自分の生活や人生にできるだけ添わせて曲を作ろうと思った結果、大人になって見えなくなっていくもの、そして得るものを、星が見えない夜空になぞらえて書きました。
『STARS』における自分たちらしさですが、ロックバンドで1番大事なのはリフやイントロだったりすると思っています。それは毎曲作る上でかっこよくありたいと考えています。そんな中で『STARS』のリフは、実家に帰ったときに、昔使っていたスピーカー付きのミニギターで作りました。電池式のギターなんですけど、電池が切れかけていたが故にめちゃくちゃ歪んだ音が鳴って(笑)。その音が割とこの曲には反映されていて、実家で作ったというのも込みで、衝動的かなという気がしています(笑)。
「真摯に音を鳴らす」影響を受けたバンドは?
「ロックバンドで1番大事なのはリフやイントロ」と語るサイトウ。w.o.d.ではほとんどの曲をサイトウが作詞・作曲しているが、バンドにとってのルーツとなる1曲は?
サイトウ:僕らのルーツの1曲に選んだのは、Cloud Nothings(クラウド・ナッシングス)の『Stay Useless』です。クラウド・ナッシングスはアメリカでインディー活動をしているバンドなんですけど、上京して、今のメンバー3人になってからクラウド・ナッシングスのライブを観に行ったんです。
クラウド・ナッシングスって演奏が特別上手いとか、派手な演出をするとかまったくなくて。ただただ衝動的で、すごい感情的で、真摯に音を鳴らす・演奏するというバンドなんですけど、それがすごくw.o.d.のポリシーみたいなものに受け継がれているなと思っていて。それはメンバーで共通して考えていることです。
クラウド・ナッシングスはライブをするとき、さすがにギターは持ってきていると思うんですけど、アンプとかは会場に置かれているものをそのまま使う感じで。でも最初の1音を鳴らしたときに、みんなが振り向いちゃうというか。なんであんなにすごい音が出るのか、全然わからないんですけど(笑)。
言葉とか技術みたいなもので説明できない、心の奥底から出てくるパワーみたいなものを感じるんです。なので、どんだけ練習してもクラウド・ナッシングスと同じことはなかなかできないんですよ。でもそれこそがロックの持っている表現力の一つやなと思うんです。
『Stay Useless』はすごく爽やかで、でも焦燥感もあって。それって歌詞では説明しづらいことやったりするんですけど、音色で切なさや焦燥感を表現してると思います。演奏は上手じゃないから(笑)、Aメロで遅くなったり、サビで急に早くなったりするんですけど、それが心情にもフィットしていて、大名曲やなと思っています。
w.o.d.にとってCloud Nothingsは「ロックバンドの理想系」を体現しているようだ。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
