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それぞれの歩幅の「自分らしい一歩」を応援したい──「Follow Your Heart & Music」を通して、今届けたいこと

音楽を通じて、新たな一歩を踏み出す若者を応援したい。そんな気持ちからスタートした「Follow Your Heart & Music Presented by RECRUIT(以下、FYHM)」。リクルートが目指したい世の中「Follow Your Heart」に共感してくれたアーティストに、「挑戦」をテーマにオリジナルの楽曲とミュージックビデオ(MV)を制作していただくこの企画は、2018年3月にスタートし、2020年までに計15組のアーティストが参加しています。

4年目となる2021年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、MVの制作は見送らざるを得ない状況に。しかし、先の見えない時期だからこそ、それぞれに今と向き合う一人ひとりの思いや新たな選択をそっと応援できたらと、これまでに制作していただいた15曲をSpotifyのプレイリストとしてお届けすることにしました。

今回は、企画発案者である阿南孝宏さんにFYHMの誕生秘話や、今だからこそFYHMを通じて伝えたいことを聞きました。

●株式会社リクルート 広報ブランド推進室 ブランドマネジメント部 阿南孝宏さん
高校卒業後、カナダに留学。大学を卒業した後、ベビー用品のメーカーに就職。アジアを中心とした国・地域へ商品輸出やマーケティングに従事し、さらに赤ちゃんや妊産婦さん向けの製品企画・開発、中長期の事業戦略にも携わる。また、IR広報部門で投資家へのIR活動も担当。2016年、株式会社リクルートに入社。2018年より「Follow Your Heart & Music Presented by RECRUIT」を企画・実施し、現在も担当を務めている。

阿南_プロフィール_(1)

株式会社リクルート 阿南孝宏さん

若者を音楽の力で応援するプロジェクト「Follow Your Heart & Music」

──阿南さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、FYHMとはどのような企画なのでしょうか?

阿南:混沌とした世の中で、不安を抱えつつも新たな一歩を踏み出そうとする若者を音楽の力で応援するプロジェクトです。「Follow Your Heart」とは、2001年からリクルートが掲げているビジョン、目指したい世の中であり、直訳すると「自分の心に従え」という意味があります。

FYHMでは音楽を通じて、この「Follow Your Heart」をこれから社会に出ようとする若者たちに伝えたいと思っています。具体的には、「Follow Your Heart」に共感してくれたアーティストの方々に、「挑戦」をテーマにオリジナルの楽曲とMVを作っていただき、YouTube上に公開しています。

──入学、進級、就職など人生の転機に聴いていた曲は、自分の中でも大切な記憶として残っていますね。「あのとき、よく聴いていたなぁ」なんて、思い出すことがあります。不安なときに音楽が隣にあると、勇気をもらえるような気がします。

阿南:「想いを伝える」ということと、音楽はとても相性がいいと思っています。アーティストが持つ想い≒世界観と、リクルートの「Follow Your Heart」が近ければ近いほど、メッセージは伝わりやすい。また、音のコンテンツであれば、音声プラットフォームやSNSを通じて多くの方に届けることができるのではないかとも考えました。

企画を通じて、若者もアーティストも応援したい

──毎年5組のアーティストがFYHMの企画に参加してくれています。参加アーティストはすぐに見つかったのでしょうか?

阿南:初年度は、この企画自体が知られていなかったこともあって、参加アーティストへの呼び掛けも簡単ではありませんでした。それでも、アーティストの方に直接お会いした際に「Follow Your Heart」に込めた私たちの想いを伝えるなど、リクルートの目指したい世の中を丁寧に説明することで、アーティストさんなりに咀嚼・理解していただき、素晴らしい楽曲とMVを作ってくださいました。

YouTubeやTwitterなどのコメントを見ても、ファンの方々を中心に観ていただいた皆さんがとても前向きに受け止めてくれている様子が分かって、感慨深い思いでした。

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PELICAN FANCLUBさん『Amulet Song』の撮影でのオフショット

──Twitterをのぞいてみると、しっかりとその世界観が伝わっている様子が分かりますね。

「聞いてた時そっと背中を押された気がしました 感覚ピエロ出会えてよかったです」(むみさん)
「10代に出会って『あなたは何になりたいの?』と夢を持たせてもらって、聴きたかったなあと想う曲でした。素敵です」(ゆかりさん)
「リクルートの世界観とSKY-HIの世界観がこんなにリンクするんだと、びっくりした」(maiko_flyersさん)

阿南:ファンの方以外にも、それまでそのアーティストを知らなかった方を含め、幅広くいろいろな人に届いたようでうれしかったです。1回目が好評だったことで、携わっていただいた方々経由で音楽関係者にも評判が広まり、ありがたいことに2回目からは逆に「今年もやりますか?」と問い合わせをいただくこともありました。

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Hakubiさん『大人になって気づいたこと』の撮影風景

みゆな

みゆなさん『my life』MVの撮影現場

──プロジェクトの中で、アーティストもさまざまな新しい試みをされていますよね。

阿南:音楽を聴いてくださる皆さんはもちろん、アーティスト自身の挑戦も応援したいという想いが強いです。参加してくださるアーティストがやりたいことに挑戦できる企画にしたくて……。例えば、最新のテクノロジーを駆使したり、書道家とコラボレーションしたり、これまでになかった新たな表現を取り入れたりしたMVなど、アーティストの皆さんの挑戦を後押しすることも、FYHMの大事なポイントなんです。

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KANA-BOONさん『マーブル』の撮影

──そうなんですね! その後、何か変化などはありましたか?

阿南:メジャーデビューしたての頃から相談していて、FYHMの企画とたまたま時期が前後してブレイクしたアーティストもいます。その瞬間に自分も立ち会えたのは幸せですね。世の中には頑張っている人がたくさんいると思います。そういう人たちを応援したり、そっと支える存在になれたりするといいなと思っているんです。

──アーティスト自身が一歩踏み出して成長していく姿を見ることで、MVを視聴する人たちもうれしい気持ちになってくれそうですね。

阿南:例えば子どもから大人になる過程で、誰もが大人の世界の不条理に触れて葛藤したり、もやもやしたりすることもある。アーティストの皆さんは、そういう若者特有の気持ちをうまく表現されていますよね。そんな彼らの音楽を通して、若い方たちに私たちの思いが少しでも伝わって、聞いてくれる方たちの勇気や希望につながったらうれしいです。

マカロニえんぴつ

マカロニえんぴつさん『ボーイズ・ミーツ・ワールド』撮影の様子

近所の大学生や、中高生のリアルな気持ちに触れて

──以前はどんな仕事をしていたんですか?

阿南:ベビー用品の製造・販売をする会社で働いていました。前職でも今も、私が大切にしているのは、最終的に届けたい方々の気持ちを想像して寄り添うということです。今回も若い人たちの気持ちをちゃんと知りたいと思い、知り合いを通じて中高生の声を聞いてみたり……。また、偶然にも私の家の隣に大学生3人が共同生活をしていて、彼らを家に招いて一緒に食事することもあったので、その中でもヒントをもらいました。

──ご近所付き合いにもヒントがあったとは!(笑)

阿南:隣で学生がルームシェアをしていたのは知っていたのですが、ある日、その部屋の鍵を持ったルームメイトが外出してしまい、学生2人が締め出されていたんです。冬で寒かったこともあり、ルームメイトが帰宅するまで一時的にうちで暖をとってもらって以来、交流が続いています。そんな彼らも就職活動など手探りで漠然とした不安の中にいたようで、好きな歌い手さんの曲を聞いて元気をもらっていたことを教えてくれたり。そういう会話の中で、彼らが普段考えていることに触れていました。

──そういえば、若い時期はいろいろな不安があって、当時の一歩は本当に大きかった気がします。阿南さん自身の体験からも、それを実感していますか。

阿南:そうですね。私にとって大きな一歩だったのは、高校卒業後にカナダに留学したときのことです。それまで勉強していた英語を生かしたかったけれど、現地の人にはまるで通じないし、文化も食事も違ってすごく戸惑いました。予期しないアクシデントもあったりして……。

意気消沈していたときに、たまたま寄った本屋でもらったしおりに「Follow Your Heart」と書かれていたんです。漠然とした不安の中にいた私にとって、羅針盤は自分の心だと思いました。自分の心にむち打ってもがくというより、改めて焦点を当て、素直に進みたい道を見直すいい機会になりました。そのときのしおりは今も大事に取っておくほど心に残っていますが、まさかそれから13年後に入社するリクルートがその言葉を掲げているとは面接を受けるまで知りませんでした。

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FYHMの音楽を通じて、今だからこそ届けたいこと

──コロナ禍では、できることも限られ、不安を抱えている方も多いと思います。

阿南:そうですよね……。例えば大学に入って上京したけれど、通学して授業も受けられなければサークル活動もできていない、そんな方もいらっしゃると思います。私たちが考える「Follow Your Heart」のベースには、「あなたらしい人生を応援したい」という想いがあります。FYHMでは「挑戦」をテーマにしてはいますが、大きなことに挑戦することだけではなく、自分自身と向き合い自分の感性や価値観を知り表現する、行動する、または「挑戦しない」という選択も含めて一人ひとりの「今」を応援できたらと考えています。

今年はコロナの影響で新しい作品をお届けすることが難しい状況ですが、今だからこそFYHMで制作した楽曲を通じて、一人ひとりを少しでも支えられたらと議論を重ね、Spotifyでこれまで提供してもらった作品をプレイリストにしてお届けすることにしました。ぜひ、お聞きいただけたらうれしいです!

※肩書、担当業務などは取材当時(2021年3月)のものです。

■関連リンク
「Follow Your Heart & Music Presented by RECRUIT」Spotifyプレイリスト


「Follow Your Heart & Music Presented by RECRUIT」特設サイト

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