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自分だけのクリエイティビティでこれからの変革に備える――オルツ

株式会社オルツは人工知能(AI)の開発と、AIを利用したさまざまなサービスを提供している企業です。2014年の創業当初から、人の意思をデジタル化させた「デジタルクローンP.A.I.(パーソナル人工知能)」の開発に取り組んでいます。

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。本記事では、過去の放送の中から、「株式会社オルツ」が提案する働き方改革をご紹介します。

デジタル化された私「デジタルクローン」

オルツが提案する、デジタル化された私たちの人格「デジタルクローンP.A.I.(以下、デジタルクローン)」について、同社代表取締役社長・米倉千貴さんにお聞きしました。

デジタルクローンとは、漫画やアニメに出てくるコピーロボットのようなもので、デジタル上に作る本人のコピーだといいます。2021年7月に開かれたオルツのイベントでは、米倉さんの代わりに本人のデジタルクローンが登場し、コメントしました。同社では、イベントに出たり、取材を受けたりするなどの、さまざまなコミュニケーションをその人のデジタルクローンが行っています。

デジタルクローンは、AIにその人の5~7年間分のチャットやSNSなどのデータを学習させて作ります。学習するデータ量が多ければ多いほど、デジタルクローンの仕事の精度は高くなります。米倉さんの場合、現在、ルーティーンの業務はデジタルクローン、創造的な作業は本人が行うというすみ分けをしているそうです。

株式会社オルツ--米倉(プロフィール写真)

株式会社オルツ代表取締役社長・米倉千貴さん

デジタルクローンには、桁違いの「働き方改革」の可能性がある

デジタルクローンの登場で、私たちの働き方はどのように変わっていくのでしょうか。

今後、ルーティーンの仕事をデジタルクローンに吸収させていくことで、それらの仕事をしていた人はその分野の専門家になっていくと、米倉さんは考えています。すでにオルツでは、デジタルクローンによるコールセンターのサービスを提供しています。現在はアンケート調査会社と共に、アンケート調査員のデジタルクローンを利用してアンケートを行うという実証実験を開始しているそうです。

デジタルクローンの開発は、個人の価値を最大化させたい、つまり労働対効果を極限まで上げたいと考えたのがきっかけでした。開発には長期間の研究が必要となることが分かっていたため、AIの専門家や大学の研究機関と共に体制を整えて取り組んできました。米倉さんは、デジタルクローンがいる世界での働き方改革は、桁違いの可能性を持っているといいます。

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ラボーロ的業務からオペラ的な仕事へ

そんなオルツの企業理念は、「Lavoro to Opera(ラボーロからオペラへ)」。イタリア語でラボーロは「奴隷」が語源の「仕事・労働」を、オペラは「創造的仕事」を意味します。古代ローマ人は「仕事」という言葉を二つに分けていて、自由市民はオペラをしなければならず、創造的でない仕事はするべきではない、とされていました。オルツは人間らしくあるために、ラボーロ的業務は徹底的にデジタルクローンに吸収させ、遊びに近い状態でオペラ的な仕事をするべきだと考えています。

米倉さんは、今「遊び」という言葉が否定的な意味で捉えられているといいます。人は、年齢を重ねると知能や知性が高くなり、知識量も増えてくるため、「遊び」上手ならば年を重ねるほど素晴らしいものが作れるはず。ところが現在は、「遊び」のないラボーロ的業務の解決に焦点が当たりすぎているため、本来の力が発揮されていない。その点を変革したい、ということでした。

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20年後の「1人1デジタルクローン」を目指す

最後に、今後の展開について米倉さんの考えを伺いました。

デジタルクローンは、その人のプライベートなデータを読み込ませることで、その人らしさがより出てくるそうです。そこで重要になるのは、デジタルクローンのストレージ量とセキュリティー。精巧な物まねができるほどのデータは、プライバシーに関わってきます。そうした課題についても、今オルツでは独自の技術で対応しているといいます。

米倉さんは、デジタルクローンは必ず一般化すると考えています。「1人1デジタルクローン」を20年後には実現させ、その人にしかできない創造性に集中することで、その人の価値が生まれるといいます。「自分にしかできないことは何だろう」と考える時間や余裕が生まれてくることが、変革になる。究極の働き方改革によって、遊ぶように仕事をすることがマジョリティーになったとき、どのようなことが作り出されるようになるのかが楽しみだと語ってくれました。

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株式会社オルツのお話から導き出す「WORK SHIFT」のヒントは・・・『自分だけのクリエイティビティでこれからの変革に備える』でした。

デジタルクローンが存在する未来は、もうそこまで近付いています。

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■「RECRUIT THE WORK SHIFT」バックナンバー

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