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スガシカオの“炙り出す”ような歌詞に衝撃─アツキタケトモがルーツを語る

アツキタケトモが、自身の音楽のルーツや、新曲『自演奴』に込めた想いを明かした。

J-WAVE(81.3FM)で放送中の番組「SONAR MUSIC」内で、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。本記事は、過去の放送から、アツキタケトモさんの楽曲に込めた想い、アーティスト人生に影響を与えた楽曲との出会いについてのお話をご紹介いたします。
※J-WAVE NEWS 2023年10月16日掲載記事を一部編集し転載しています。

若い世代の衝動を代弁する“音”が、時代によって変わった

作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家・アツキタケトモ。日常のちょっとした違和感を独自のダンスミュージックに昇華するアーティストだ。今回は「SONAR TRAX」に選出されている『自演奴』がどんな楽曲になっているのか、そして自分らしさはどんなものなのか、話してもらった。

アツキタケトモ:僕は自分で作詞・作曲をして、歌っている音楽家です。好きなアーティストを語るのだったら、2023年の『SONICMANIA』の出演アーティストで事足りるというか(笑)。高校時代にJAMES BLAKEと出会って、打ち込みというか、生じゃない音の美しさみたいなものに気づかされました。ここ数年、MURA MASAばっかり聴いてるし、FLYING LOTUSも大好きだし。そんな奴です。

そんなアツキタケトモは、8月9日にニューシングル『自演奴』をリリースしました。この曲は8月のJ-WAVE「SONAR TRAX」に選出されています。選ばれたのもあって、J-WAVEのロビーでティザー映像も撮影してもらって、そのとき、(『SONAR MUSIC』ナビゲーターの)あっこゴリラさんが通り過ぎたんですけど、めっちゃ撮影していたので、すみません、怪しいものじゃないんですと心の中で思っていたりしました(笑)。

今回の『自演奴』はHIPHOPとロックを組み合わせるというのが構想の入り口になってまして。というのも、僕が10代の頃って例えばOasisのギターリフとかを聴いて、行き場のない感情を音で表現してくれていると思ったりして。僕にとってはNirvanaもそうだったりするんですけど、衝動を歪んだギターの音が代弁してくれているみたいな。そういう気持ちで聴いていたんです。

でも今のティーンにとってはロックのギターの音というよりかは、もしかしたら重低音。「808」とかのサブベースの音なんかがその役割を果たしているんじゃないかと思っていて。そういう時代の移り変わりをひとつの曲の中で融合できないかなと思って。HIPHOPの重低音とディストーションギターの歪みが鳴りながら、自分の感情を吐き出す。そんな楽曲になっています。

この楽曲に込めた自分らしさですけど、僕はこれまで歌謡的なメロディとオルタナティブなサウンドを組み合わせることにトライしてきて。混じり合わないものを混じり合わせることが僕らしさかなと思っています。今のHIPHOPの対比とされているものを1曲に混ぜることが、僕らしさなんじゃないかなと。

僕の曲には『Outsider』って曲があったりします。ちょっと社会で生きにくいなとか、居場所がないなと感じている人に、「それで良いんだよ」じゃないけど、どうやって生きても批判はされるし、どうやって生きてもダメな部分って出てきちゃうから、ダメな部分も愛していこうっていうメッセージを歌い続けています。聴いている人もそんな気持ちになってくれたらうれしいです。そんな人に熱き思いをこれからも届けていきたいです。


小学生の頃からスガシカオが好き

「ダメな部分も愛していこうっていうメッセージを歌い続けている」と語るアツキタケトモ。そんな彼のルーツとなる1曲は。

アツキタケトモ:ルーツの1曲に選んだのは、スガシカオさんの『Thank You』です。元々、スガシカオさんは小学校の頃からずっと聴いていて、ライブとかツアーとかもそこからほぼ1回も欠かしていないんじゃないかってくらい、毎回、母親とかと一緒に観に行っています。

なんせスガさんの歌詞に僕は影響を受けていて、この『Thank You』は歌い出しが<ねぇ 明日 しんでしまおうかしら…>。しかもアルバムの1曲目ですよ。それを<明日 しんでしまおうかしら…>って、そんなこと言っていいんだみたいな(笑)。

その後も<ニブイくそ野郎>とかが入ってきたり、歌詞にそんな言葉使っていいんだみたいな。そういうフレーズがたくさんあって、でもスガさんは普段は言えないことを歌詞にしていて。なかなか触れづらいけれど、誰しもが抱えている部分を炙り出すみたいな、その表現に感銘を受けました。

僕自身、そういう表現はチャレンジしていて、『Family』っていう楽曲とかはかなり影響を受けています。それくらい掘り下げて書いていいんだなっていう風に思えたというか。逆に、誰もが言いづらいんだけど、それを書いてくれる歌があることで、居場所を感じられる人がいるというか。

『Family』ってあたたかいものだよね、という曲が多い中で、僕は冷たい家族の関係を描いているんだけど。でも家族の関係が冷えてしまうことって誰しもあると思うし、その冷えているときに、うちはこんなんで大丈夫かなって思っちゃうと、孤独を感じる。けれど、冷たいことも書いている歌があると、その思いを肯定できるんじゃないかなって。そんなことを考えながら、日々、音楽を作っております。


時に歌詞で心の奥底をえぐるような表現を用いるスガシカオ。アツキタケトモはそんなスガシカオの詩人としての姿勢に大きな影響を受けているようだ。


アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。


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