
奥田民生の音楽を子守唄のように聴いて…SPRINGMAN荒川大輔が影響を語る
SPRINGMANの荒川大輔(Vo, Gt)が、自身の音楽のルーツや、楽曲『とりとめもなく』に込めた想いを明かした。
J-WAVE(81.3FM)で放送中の番組「SONAR MUSIC」内で、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。本記事は、過去の放送から、SPRINGMAN 荒川大輔さんの楽曲に込めた想い、アーティスト人生に影響を与えた楽曲との出会いについてのお話をご紹介いたします。
※J-WAVE NEWS 2023年5月25日掲載記事を一部編集し転載しています。
自分と向き合った先にしか見えない喜びがある
SPRINGMANが、J-WAVE『SONAR MUSIC』に初出演したのは2020年の5月。当時は3ピースバンドだったが、現在は荒川のソロプロジェクトとして活動している。2022年にはmurffin discsが主催したオーディション「murffin AUDITION 2021-2022」でグランプリを獲得した。そんなSPRINGMANは現在3ヶ月連続で楽曲をリリースしている。5月17日にはその第3弾配信シングル『とりとめもなく』を発売した。今回は同曲で表現した、自分らしさについて、荒川に語ってもらった。
荒川:SPRINGMANは2018年に誕生しました。現在、ライブはサポートドラム、ベース、キーボードの3人を迎えて、4ピース体制で行っています。
そんな僕、SPRINGMANですが、このたび5月17日に『とりとめもなく』をリリースします。SPRINGMANは3ヶ月連続配信リリースしてきましたが、『とりとめもなく』はその最後を飾る曲になります。3月、4月にリリースした曲はどちらも明るめの曲だったのですが、今回の曲はテンポが遅めのバラードとなっています。
実は今回の3ヶ月連続リリースの曲にはそれぞれテーマがありまして、3月リリースの『カポック』は恋人との向き合い、4月リリースの『いないふり』は友人との向き合い、そして5月の『とりとめもなく』では自分との向き合いをテーマにしています。
そんなこともありまして、今回の曲は特に歌詞の方が、今までと違った感覚で完成に至りました。基本的には思ったことを思ったまま、歌詞にするというのはあまりないのですが、今回の曲は思いついたそのままの形で完成となりました。
だいたい最初のほうに書いた歌詞は消えていきますし、残らないんですけど、今回はあえて残していて。だから恥ずかしいですし、みなさんにどう思われるのか読めない部分があります。なので、みなさんの感想が聞きたいです。もちろん今回も何回も書き直して、あーだ、こーだと捻ったりしたんですけど、なんかそれも嘘くさいなと。最初に出てきた言葉を信じたいなと思いました。
自分と向き合うのは、とても恥ずかしくて、しんどいことです。でも受験、就活と嫌でも自分らしさと向き合わないといけないタイミングというのは、生きてる中でやってくる。僕にとっても今回のこの曲がそうで。でもそうやって、自分と向き合った先にしか見えない喜びがあることも知っていますので、今回はそういう意味でもチャレンジでした。
だからみなさんもそういった機会を思い出したり、そういった機会に挑むためのきっかけに、この曲がなれたら良いなと思います。
ルーツは、6歳で出会った奥田民生の楽曲
現在はソロプロジェクトとして活動するSPRINGMAN。そんな彼のルーツの1曲は?
荒川:ルーツの1曲に選んだのは、奥田民生さんの『プライマル』という楽曲です。振り返って調べてみたら、この曲と出会ったのは2004年、僕が6歳の頃でした。
この『プライマル』は『LION』というアルバムに収録されています。母が奥田民生さん好きで、常にカーオーディオからは民生さんの曲が流れていました。そういう意味では、無意識に聴いていたアルバムですし、『プライマル』はその内の1曲になります。
民生さんの曲すべてに影響を受けているんじゃないかというくらい、子守唄感覚で聴いていたんですけど、僕の新曲『とりとめもなく』では、自分の中から最初に出てきた言葉を紡ぐ作業をしました。『プライマル』という曲も、民生さんが楽曲制作をする中での心意気が詰まっているというか、心そのものを歌にした曲だと思っていて。今、改めて歌詞を読んでみると、これでいいんだなと思わせてくれる曲だったからです。
当時は本当に音楽として聴いていて、歌詞とかはあまり読むタイプではなかったんですけど、こうやって歌詞を書く身になると改めて発見することがあったりします。ただ、憧れた人に憧れたままではいけないと思っていますので、これからは自分の歌詞が書けるアーティストになれたらなって。そして、自分の人生に向き合うことが、みなさんの人生に寄り添うことだと信じていますので、今後ともよろしくお願いします。
奥田民生の楽曲を「子守唄」のように聴いていたというSPRINGMAN。そういった時期は、今の彼のアーティスト像を作り上げた1つの大きな要素となっているのだろう。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
