見出し画像

君島大空が「のめり込んだ」と語るほど聴き惚れたアーティストは?

君島大空が、自身の音楽のルーツや、楽曲『世界はここで回るよ』に込めた想いを明かした。

J-WAVE(81.3FM)で放送中の番組「SONAR MUSIC」内で、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。本記事は、過去の放送から、 君島大空さんの楽曲に込めた想い、アーティスト人生に影響を与えた楽曲との出会いについてのお話をご紹介いたします。
※J-WAVE NEWS 2023年2月13日掲載記事を一部編集し転載しています。

「誰かひとりの名前を呼ぶような気持ちで作り上げました」

2021年7月から3ヶ月間、J-WAVEの「SONAR'S ROOM」を担当していた君島。シンガーソングライターとしての活動はもちろん、ギタリストとしても数々のアーティストのサポートを務めている。そんな君島は初めてのフルアルバム『映帶する煙』を1月18日にリリースした。今回は同アルバムに収録された楽曲『世界はここで回るよ』に、どんな自分らしさを込めたのか、語ってもらった。

君島:(リリース日の)1月18日は自分の誕生日でもあります。このアルバムは一昨年の春にEPを出してから、ずっと作っていました。

初めてのアルバムということで、時間を掛けて作っていました。コロナ以降の情報過多とその消費スピードについていけなくなってしまった部分があるんですけど、音楽はいつだって、出会う人にとって、鮮度を保って残されるべきだなと強く思いながら、そして時に頭を悩ませながら、友だちの力も借りつつ作品を作っていました。

アルバムのリード曲である『世界はここで回るよ』ですが、そもそもこのアルバムにリード曲という概念は自分の中で存在しません。どの曲もリードのようにも、そうでもないようにも思えますが、強いて言えば『世界はここで回るよ』なのかなと思います。

この曲のサウンドと歌詞ができたときに、このアルバムの大きな物差し・見通しのようなものができたと思います。自分の中で、大切な曲になりました。

この曲は1年以上前に京都で作り、歌詞は去年ロシアがウクライナに侵攻したタイミングで、悲しいニュースがSNS・ネットなどで目に入るようになったのを受け、そこに向けて書き上げました。自分の部屋の中で、間違った情報や辛いニュースに目を閉じて、誰かひとりの名前を呼ぶような気持ちで作り上げました。

この楽曲に込めた自分らしさですが、自分で自分らしさを話すのは、これも気恥ずかしいのですが、君島大空のひねくれた部分がよく出ている曲だと思います。まず1番得意なギターを弾いてないのも自分らしいなって。ギターをずっと入れるか悩んでいたんですけど、最後の最後まで悩んで、録ったり消したりを繰り返していたんですけど、ギターを抜いたことで、今までにない空間の広がりがこの曲では表現できたかなと。もうギターはしばらく良いかな……と思うくらい(笑)、好きな空間の広がりができたので、ぜひその点に注目して聴いてもらえればと思います。

自分でも怖い曲だなと思うんですけど、聴く時々で優しかったり辛かったり安らいだり、タイミングによって変容する曲なので、思い出したときにはいつでも聴いていただきたいです。


最近出会って「のめり込んだ」アーティストは?

シンガーソングライターとして活躍する君島。そんな彼のルーツの1曲とは?

君島:ルーツの1曲で選んだのはPhoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)の『Halloween』です。ルーツと言うには出会いが直近過ぎるのですが、彼女の表現にはとても共感する部分が多くて、とても影響を受けていると思います。

CD屋の試聴機を漁っているときに、初めて彼女の作品に出会いました。収録されているアルバム『Punisher』はジャケットが暗くて、かっこよくて、サウンドには一聴き惚れをしてしまいました。自分は昔から、Tom Waits(トム・ウェイツ)というアーティストが好きなんですけど、その方に通じるようなアメリカフォークの泥臭さをこの時代にやっている人がいるのかと思って。

それからよく調べてみたら自分と同い年で、さらに興味が沸いて、歌詞を和訳したりして、どんどんのめり込んで行きました。

『Halloween』の歌詞の冒頭では、<病院の隣に住むのは嫌だ/一晩中サイレンが鳴り響く>と歌っていて、今、自分が住んでいるのが病院の近くで、まさにそんな夜があるので、すごく親近感を覚えました。

自分と近しい部分は社会とか身の回りの友だちとか、自分への気持ちの向き方だなと思います。外に対して、ある意味でとても冷めているけれど、どうにかして、自分の昔の呪いだったりと向き合って、生きていく息遣いに、勇気をもらいながら、アルバム制作中もずっと聴いていました。


フィービー・ブリジャーズの歌詞に親近感を覚えたという君島。直近に出会ったというが、フィービー・ブリジャーズの作品に惚れたことは、今後の君島のアーティスト像を作り上げることに繋がっていくことだろう。


アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。



みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!