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「ディグるキャリア」で、やりがいを見つけよう

株式会社リクルートが定期的に開催している『コレカラ会議』では、一人ひとりが未来に向けて前向きな一歩が踏み出せるように、キャリア採用領域、派遣領域、社会人インターンシップ領域など、さまざまな領域での新しい変化をつかんで、その内容を発表しています。

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「新しい働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。本記事は、過去の放送の中から、「コロナ禍で広がる異なる領域への新たなキャリアチェンジの兆し」についてご紹介します。

「やりがい」と「やりたい」を求めてのキャリア探し

株式会社リクルート・HR統括編集長の藤井薫さんによると、新たなキャリアチェンジのキーワードは「ディグるキャリア」だといいます。

「ディグる」は、「掘る」という意味で、「ディグるキャリア」とは、自らの経験を掘り起こす=「ディグる」ことで、新たな業種・職種、新たなキャリアに挑戦することを指します。レコード屋に行って好きな音楽を探す=「ディグる」ように自分のキャリアを探しにいくこと。近年、自らの仕事の経験や日常の経験、価値観を深く掘り起こしていくことによって、新たな業種・職種・キャリアに挑戦する人たちがさまざまな領域で増えつつあるといいます。また、「ディグる」には、「宝物を掘り当てる」という意味もあり、「これが自分の宝物だ・持ち味だ」「自分はこういったことにワクワクするんだ」というように、自分の“仕事の武器”や“好きなこと”に自覚的になる人も増えているそうです。

コロナ禍によって働く人たちのキャリア感・仕事感に変化が生まれました。仕事に意義を感じ、やりたいことに没頭したいという人が増えたことで、「やりがい」と「やりたい」が重視されるようになってきたのです。経験の「ものさしの変化」、仕事の「お試し」「トレーニング」「リスキリング」など、新しい方法論を採り入れることによって、働く人と仕事の出会いが加速しているのです。

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売り手市場。18.3%の企業が人材要件変更

ディグるキャリアによって新たな業種、職種、キャリアに挑戦する人たちがさまざまな領域で増えています。このように、個人が変化を遂げる一方、企業側にも大きな変化の兆しが見えてきました。

日本では今、構造的な人材不足が深刻で、企業が人材を採用充足することが難しいという状況です。中途採用計画で、計画した人数を満たせなかった企業が7割あったというリクルートの調査結果もあります。だからといって事業成長を止めるわけにはいかない各企業は、「人材要件・条件」を変えて優秀な人材を採用する必要に迫られており、実際に「人材要件」を変えた企業は、全体の18.3%にも上ります。

採用する際の「人材要件」を変更する企業が増えているのには、2つの理由があります。一つは自社のビジネスモデルを変えたことによって必要とする人材像が変わったこと、もう一つは、これまでの要件では必要な人材を採用できなくなったことです。

例えば、自動車をつくる会社からモビリティサービスの会社に変わろうとしている自動車会社があったとします。そのような会社では、これまでのようにエンジンを作るだけの人ではなく、EVやコネクテッドやシェアードカーなど複数のサービスを生み出せる人を採用したいわけです。このように、従来の社員とは異なる新しいスキルを持った人を自社に引き付けるためにさまざまな汗をかいているのです。

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異業種・異職種への“越境”転職が当たり前の時代

構造的な人材不足を背景に、採用する側が人材要件を変更するケースが増えていますが、このような要因からだけではなく、現在さまざまな事情によって、「転職」の仕方が大きく変化しています。

企業側は、既存の事業がどんどんコモディティ化し、売り上げや利益が減少していることで、新たな市場やサービスを開発していくための異能人材の獲得を加速化。一方、個人側は、DX時代といわれる現代にあって、同じような業種・職種・業務にずっと従事したままではスキルが陳腐化してしまう。それを避けるために、新たな成長業界や、新たなスキルセットが選べるような仕事領域に自分のキャリアを展開する、というのが大きなトレンドです。実際に「本当に自分のスキルが生かせるのは、同じ業種・職種だけではないのではないか?」と、探し始めた人がたくさんいるようです。

実際に転職した人のデータを見ると、異業種・異職種への転職が最多。2020年のデータによれば、同業種・同職種の転職は19.6%=5人に1人。他の方は、業種も職種も軽々と飛び越えて越境しているというデータがはっきり出ています。

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外に延ばし、内を掘る。それが、新しいキャリアのかたち

異業種・異職種へ越境して、転職する人が非常に増えているということが明らかになりました。最近では、このようなディグるキャリアを後押しする機会も増えているようです。もっとワクワクする仕事、もっとやりがいのある仕事を探して越境しようとする人々(=「ディグるキャリア」を実践する人たち)と企業を結び付ける方法も、どんどん変化しています。

社会人の領域で目を見張るのが、盛り上がりを見せる社会人インターンシップ。土日や休日の夜に会社のミーティングに参加してもらうなど、「仕事のお試し機会」を社会人に提供する会社が6年間で8倍増に。同制度の盛り上がりによって、 異業種・異職種への転職は最大化(リクルート調査)したといいます。また、派遣社員の領域では、業種や職種を越境してきたり、新しい仕事に就いたばかりの派遣社員のスキル強化=リスキリングしたりするようになっています。

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藤井さんによると、キャリアをディグることには「2つの方向性がある」のだそうです。一つは、自分のキャリアを外へ外へと延ばしていく=「外延するキャリア」、そしてもう一つは、自分の内側を観てキャリアを深く掘っていく=「内観するキャリア」です。ディグるキャリアとは、外延するキャリアと内観するキャリア、この両方が混ざってこそ成立するものなのです。

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株式会社リクルート・HR統括編集長の藤井薫さんのお話から導き出す「WORK SHIFT」のヒントは・・・『「ディグるキャリア」で、やりがいを見つけよう』でした。

「外延」と「内観」によって、越境する……これがこれからの働き方かもしれません。

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■「RECRUIT THE WORK SHIFT」バックナンバー

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