休日を大幅に増やす取り組みが、ワークライフバランスを大きく充実させる――信州ビバレッジ
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休日を大幅に増やす取り組みが、ワークライフバランスを大きく充実させる――信州ビバレッジ

株式会社リクルート 公式note

信州ビバレッジ株式会社は、長野県松本市に本社を持つ、清涼飲料水メーカー。従業員はおよそ160人です。24時間操業の工場に勤務する従業員の時間外労働の問題を解決しようとしたことが、同社の“働き方改革”へとつながりました。

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「新しい働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。本記事は、過去の放送の中から、「信州ビバレッジ株式会社」の取り組みをご紹介します。

時間外労働を減らせ!

人事総務部長・吉田行孝さんによると、従来同社の工場は、8時間勤務3交代制シフトの4班体制によって操業されていました。通常期であればこの体制で問題はありませんでしたが、清涼飲料水製造の繁忙期となる夏期には生産量が増えて工場はフル稼働、それに伴い、従業員の時間外労働も増加しました。人員を増やすことでこの問題を乗り切ろうという考えもありましたが、人員を増やすことはそのままコスト(人件費)の増加に直結、同社の売り上げでコストを吸収することは難しかったそうです。

そこで同社が採り入れたのは、1日12時間拘束で10時間勤務2交代制という新しいシフトでした。このシフトであれば従業員を増やすことなく、時間外労働を減らすことが可能だったからです。3交代制を採用していたときは、14時出社のシフト(退社は23時)が「体を休めることができない」と、一番不評でした。2交代制となった現在は、3交代制時の経験を反映し、7時30分と19時30分でのシフト交代が良いという意見が多いそうです。

この12時間拘束のシフトを導入することは、結果として週休3日制の実現にもつながっていくのです。

プロフィール写真
信州ビバレッジ株式会社 人事総務部長・吉田行孝さん

残業代の減少を給与ベースアップでカバー

信州ビバレッジの工場の従業員は現在、昼間勤務を4日間続けた後2日間休み、そして夜間勤務を3日間続けた後3日間休むというシフト制。このシフト制の改善は、労使で1年間話し合って進められました。

労使が話し合っていく過程で明確になったのは、従業員たちの一番の心配事が「残業がなくなる=収入減」にあるということでした。この心配事を払拭するために、従来支払っていた残業代を、給料のベースアップへと回しました。結果として、固定費は上がりましたが、もともと払い続けていた残業代が減ったことで、会社が支出する給与総額は現状を維持することができました。また、年間120日だった休日は169日に増え、従業員には大変好評だということです。

増えたのは休日だけではありません。12時間拘束のシフト制になったことで、休憩時間も増えました。休憩時間は昼休憩1時間、そして午前中30分、午後30分の計2時間です。工場の従業員たちは、増設されたトレーニングルーム付きの休憩室で体を休めたり、エクササイズをしたりして過ごしているそうです。

社長のトップダウンではなく、会社から一方的に決められたことでもなく、労使でしっかりと話し合って決めた労働環境の改善。働き方改革を実現する上で、とても重要なポイントです。

工場の様子

「休暇」を積み立てるということ

新しい勤務のシフト制と週休3日制の導入によって、休日が大幅に増えた信州ビバレッジ。しかし、同社の働き方改革を前進させる取り組み=制度が次々と採り入れられていった一方で、有給休暇の消化率は低下してしまいました。従業員たちが休むことに対する後ろめたさや、根拠のない罪悪感を覚えてしまっていたことに原因があると考えられました。

そこで、労使が話し合って「休むこと」への理解を進めるとともに、現在の製造ラインのシフト制で生じる作業班の勤務日の重複を有給休暇に充てることや、年次有給を繰り越せる制度「積立有給制度」の設置、男性従業員の育児休業の取得などを進めたことで有給消化率は一転、向上していったのです。

ちなみに積立有給制度は、業務外の疾病や傷病、そして介護などで休暇が必要になったときに使用できるもので、最大で休暇を50日積み立てることができます。育児休業は昨年2人の男性が取得しました。これらさまざまな取り組みが奏功し、現在、全社の年次有給休暇の取得率はおよそ80%になっています。

ここまでは工場従業員に関する諸制度でしたが、事務職にはコアタイムなしの「スーパーフレックスタイム制」が導入されました。家庭の都合など突発的な事象に対応できるようにした制度で、一人ひとりのライフスタイルに合わせて出勤時間を自由に選択できるようになっています。

これらのさまざまな改革の結果、現在、同社の離職率は非常に低いといいます。

オフィスの様子

「働き方」より「働きがい」が問われる時代

信州ビバレッジは、さまざまな改革を進めた結果、一人あたり年間残業時間が60時間ほどにまで削減されました。吉田さんによれば、「チームワークと労使の話し合いの成果」とのことです。

協力しやすい体制をつくるために各工程のオペレーションメンバーを1年間変えなかったり、働く環境の課題を洗い出すために労働組合が定期的にアンケートを取ったり、介護や育児と仕事を両立させるために労使で話し合ったり……。これらのことはすべて、チームワークと話し合いがあってのことです。

メディアに働き方改革の取り組みが取り上げられたことで、会社の認知度は上がり、採用活動での応募者が増えているそうです。以前は地元松本からの応募が多かったようですが、近年では、全国各地から応募が来るようになってきたとのこと。

「働き方改革」の時代から「働きがい改革」の時代へ。吉田さんは近年、人々の意識が“働き方”から“働きがい”にシフトしてきていると感じており、だからこそ、会社が自己成長を感じられる場所であること、会社と社員のエンゲージメントを高い状態に保っていくことが大切だと考えているようです。

社屋外観

信州ビバレッジ株式会社の取り組みから導き出す「WORK SHIFT」のヒントは・・・『休日を大幅に増やす取り組みが、ワークライフバランスを大きく充実させる』でした。

労働時間の削減は、生産性の向上に確実につながっています。

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■「RECRUIT THE WORK SHIFT」バックナンバー

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