メリハリをつけた働き方が、世界基準のクオリティーを生む――中田工芸
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メリハリをつけた働き方が、世界基準のクオリティーを生む――中田工芸

木製ハンガーを中心に製造・販売している「中田工芸株式会社」は、2021年に創業75年を迎えるハンガー専門メーカーです。兵庫県豊岡市にある本社の他、東京・青山にもショールームとオフィスを構えています。

中田工芸はもともと、百貨店やアパレルショップなどの店頭ディスプレイで使われる業務用の木製ハンガーを手がけてきました。1990年代、海外製の安価な製品との価格競争にさらされますが、紆余曲折を経て、2007年には一般向けの「NAKATA HANGER(ナカタハンガー)」という自社ブランドを立ち上げました。現在、ナカタハンガーは家庭用にとどまらず、ギフト用などにも用途が広がっているそうです。

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。本記事は、過去の放送の中から、「社員の働き方がブランド価値に反映する」という価値観を掲げる「中田工芸株式会社」の取り組みをご紹介します。

持続可能な働き方のために、できるところから変えていく

「社員の働き方がブランド価値に反映する」。中田工芸が掲げるこの価値観について、同社代表取締役社長の中田修平さんは強い思いを持っています。

「良いハンガーというアウトプットを実現するためには、それらを作っている社員一人ひとりが志を持って、いい『ものづくり』をすることが大事です。簡単なことではありませんが、協力し合いながらチームワークを発揮して作ってこそ、製品に高いクオリティーが現れてくるはず」

「現代は、『どのような背景で、ものづくりが行われているか』に関心が持たれています。どういった人たちが、どのような思いで、どんな表情で働いているか、ということが大事なんです」

同社では以前、「とにかく納期に間に合わせる」という働き方をしていたそうです。しかし現在では、製品の価格や社員の働き方など、さまざまな面を見直していかなければ持続可能ではないという考え方から、できるところから変えているとのこと。

中田修平

中田工芸株式会社 代表取締役社長・中田修平さん

中田工芸が、働き方改革を始めたのは2014年。

取引先のファッション業界は春と秋が忙しいため、ハンガー作りの繁忙期はそれに合わせて夏と冬になります。春と秋に注文が落ち込むことになるため、中田工芸ではその「谷」を埋めようと、春と秋に一般向けの製品を販売するようになりました。その結果、一年を通して社員の作業量の平準化は進んだものの、一人ひとりの残業が増えることに……。それでは気持ちも体力も持たない。メリハリをつけて働こう! と考え直したのだそうです。

「モノを大事にする時代」に取り組んだこと

同社が、働き方改革の中で最初に着手したのが「NO残業」です。

「NO残業」実現のため、立ち上げたのが「改善委員会」。もともと同社内に「改善」という仕組みがあり、これは各課から一人ずつメンバーが選出され、社内でどのような「改善」をすべきなのかを取りまとめるものです。その委員会で、「どのようにして時短できるか?」「品質を高めるためには?」など、さまざまな議題がある中、「作業時間をいかに減らすか?」というテーマで細かいアイデアを募りました。

試行錯誤の結果、2014年には24時間あった一人当たりの月平均残業時間が、2019年には9.5時間に減少。ちなみに、改善委員会に中田さんは参加していないとのこと。目の前の課題に対して「どうすればいいのか?」を、社員みんなで考えることが大事なのかもしれません。

中田工芸社員

家庭用など一般向けに立ち上げた自社ブランド「ナカタハンガー」ですが、高価なものでは1本3万円のものもあります。この高価格帯ハンガーの誕生の背景にも「働き方改革」が大きく関わっています。

かつては、残業しないと追い付かないようなボリュームの仕事を抱えていた中田工芸。2000年代ごろから中田さんは、「これからは大量消費時代ではなく、モノを大事にする時代だ」という社会の変化を感じていたそう。

そこで、限られた時間の中でリソースを最大限に使って、「価値を高めていく」製品作りにかじを切ります。10年前から中田工芸では、それまでにはなかった価格帯のハンガーを売り出します。同時に、「どのような背景で、高価格帯のハンガーを作っているのか?」「どういった歴史を持つ企業が、そうしたハンガーを生み出しているのか?」といった内容を、自分たちで発信するようになりました。

そうした発信を通して、同社の思いに触れた人たちから「欲しくなってきた」「高いと思わない」という声が大きくなってきたといいます。こうして、自分たちが行っていることに見合う値段の製品を、お客さまに紹介していくというビジネスモデルが出来上がっていきました。

中田工芸が掲げる「ペアレント休暇制度」と「ジェンダーギャップの解消」

中田工芸が2年前に導入した独自制度の一つに、「ペアレント休暇制度」があります。

この休暇制度ができる前に、中田さん自身、2019年に2人目のお子さんが生まれるとき、1カ月の「育休」を取りました。男女ともに社員にはしっかりと育休を取ってほしい、そのためにはトップからという思いが始まりでした。

一般的な「育休」は、取得するとその分の給料が下がってしまうという課題があります。同社の「ペアレント休暇制度」は、会社としてその点をしっかり保証した上で、「5~10日間でも、家事・育児に関わりましょう」というメッセージが込められた、独自の制度となっています。

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また「ジェンダーギャップの解消」も、同社の大きな柱だといいます。中田さんは、「能力・意欲は性別で違いがあるわけではありません。個々の違いを見極めて、それぞれができることをやっていくことが大事なんです」と語ります。

ハンガー作りを専門として事業展開をする同社には、語学を生かしたいと入社してくる女性が多いとのこと。そうした女性たちが、将来を見据え安心して最前線で仕事ができる環境を、企業は整えなければならない。社員はみんな、思い切り能力を発揮してほしいというのが、ジェンダーギャップの解消に努める背景だそうです。現在では、地元行政との連携もしながら積極的に進めています。

「幸せがどこまでも続くように」ものづくりをしていく

最後に、中田工芸が取り組む働き方改革の、今後の課題について伺いました。中田さんによると、まずはジェンダーギャップの解消だといいます。

「これまで、女性だから機会が与えられなかったり、逆に男性だから責任のある業務が与えられていたりしたかもしれない。そうではなくて、男女問わず、それぞれのいいところを見つけて、適材適所でやっていくことが大事」

そのためにはコミュニケーションが大切とのこと。ただ単に話すのではなく、お互いが敬意を持って理解し合うこと。その上で、壁を前向きに乗り越えられるような環境・風土・カルチャーをつくっていきたい、そして「笑顔」を忘れないことが大事だと中田さんは語ります。

改めて中田さんは、「ものづくり」に対する思いをこのように伝えてくれました。

「昨年、イタリアでの展示会に出るはずが、新型コロナウイルスの影響で行けなくなってしまいました。そのことをインターネットやSNSなどで発信すると、アメリカ、アジア、中東などから問い合わせが来たんです。ハンガーが、世界共通のものであることを改めて実感しました。わざわざ問い合わせてくれるのは、自分たちならではのクオリティーが海外にも伝わっているということ。そこを磨いていきたいですね」

「ハンガーの形は『八の字』で末広がり。『幸せがどこまでも続くように』という思いで、ものづくりをしています」

営業社員

中田工芸株式会社のお話から導き出す「WORK SHIFT」のヒントは・・・『メリハリをつけた働き方が、世界基準のクオリティーを生む』でした。

まさに、「社員の働き方がブランド価値に反映する」わけです。

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