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社員に気分よく働いてもらうのが生産性向上の近道——協進印刷

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

4月27日~4月30日の放送では「株式会社協進印刷」が取り組む「働き方改革」をご紹介しました。

横浜市・神奈川区にある「協進印刷」。そもそもは印刷業を主としていましたが、社会の変化に伴い現在では従来の業務に加えて、企画やデザイン、アート系のクリエイティブ・プリンティング、団体や企業の広報、ソーシャル・マーケティングなど幅広い業務を手掛けています。従業員は現在9名。

代表取締役社長の江森克治さんによると、「働き方改革」を進めることになったのは2015年。いまでは「フレキシブル社員」と呼んでいる当時のパートさんの実のお母さんが要介護になったことがきっかけだったそうです。

娘である彼女が世話をすることになり、そうするとどうしても「仕事」「家庭」「介護」のうち「家庭」にしわ寄せがいく。ということで突然、「会社を辞めます」と言ってきました。

ビックリしてよくよく聞いてみるとそういう事情とのことで、「介護が終わった時に社会とのつながりがなくなるのは良いことではない」と、出勤日数を減らしてもらうことにして収まったのですが、ここで江森さんは「少人数の会社なので言ってくれればすぐに対応するつもりでいたんですが、社員さんはどうしても遠慮する・・・ということに気づいたんです」と語ります。

そこで、やはり「制度として作らなければならない」と考え、就業規則を一気に見直し。時間の融通をきかせられるように、「短時間正社員制度」「フレキシブル社員制度」を作ることになりました。

高齢者施設に防火アドバイスボードを寄贈

2日目はまず、江森さんが経験した大きな失敗談についてうかがいました。

それは10年以上前のこと。とても優秀な女性デザイナーがいて、入社してから結婚・出産、1年間育休を取って復帰しました。しかし、戻ってきた彼女にまわりは以前と同じ仕事を期待。当時は残業が当たり前のような時代だったこともあって、子育てと両立できずにやめてしまったのだそうです。

江森さんとしては「会社の8時間はきちんとやってください」というスタンスだったとのことですが、それだけでなく「帰ってから何をしているか?どういう24時間の使い方をして、その中で会社の時間をどう位置付けているか?」を自分が把握していないと、社員の生活が成り立たなくなると大いに反省したそうです。

「いまでは、年2回の面談で生活に無理がないか必ず聞くようにしているんですよ」と語る江森さんは、このことから「<ワークライフバランス>とよく言うが、<ワーク>と<ライフ>の2つがあるわけではなく、結局は<ライフ>なのだ」という教訓を得ました。

考えてみれば、家庭の時間も、自分の時間も、仕事の時間も、<ライフ>です。「<ワーク>の時間を<ライフ>の中でどれくらい使えるのか・・・を把握したうえで、どう活躍してもらうのか?を考えないと成り立たないんです」と江森さん。

さらに、「社員に気分よく働いてもらうのが生産性向上のいちばんの近道。『気分が良い』=『ライフの充実』なんですよ」と語ります。

「イメージとしては、人生の道は1本。そこを歩いていると、仕事のスポットライトが当たり、次のところでは家族との時間のスポットライト、次は自分の時間のスポットライトと、色の違うスポットライトが当たってくる。いつもそれぞれのステージで精一杯やるのが、人生を充実させることなんです」

小学校での出前授業

3日目は、「有給休暇取得」と「残業」の実態についてうかがいました。

「『有給』は<ライフ>が充実するためのひとつの要素であり、『残業』は生産性に関係します。自分たちは、印刷から抜け出して、高付加価値な情報サービスを提供する会社になりたいと思っているので、短い時間で高い価値を提供できるようになることが必要。だから残業も短く!ということです」

そのため、毎週1日朝礼のときに宣言する「マイ・ノー残業デー」を設けているほか、「有給」については、半年ごとに予定を出す「計画取得」を実施し、現在の有給取得率は80%。時給で働いている「フレキシブル社員」の方々はこれまで「有給を取る」という頭はなかったようですが、計画取得になってからは、それが当たり前になっているとのこと。

やはり、しっかりと「制度」にすることが大切です。

しかし実際には「マイ・ノー残業デー」を設けるまでもなく、残業はほとんどありません。その裏にあるのは、前の日に「翌日の行動計画表」を作ってから帰るというルールで、事前申告制にしたことが効果を生んでいるようです。

このように改革を進めたのは、生き残りをかけてのことだったとか。

「社長になった2005年当時は旧態依然でした。でも、いろんな経験をして、いまのような体制になったんです。紙媒体が減っていくのは誰が考えてもわかる。では、印刷でないとすれば何をするか?そして、自分たちの良さとは何か?と考えて、だんだん変えていったんですよ」と語っていただきました。

毎年開催しているCSR報告会「ありがトゥナイト」

最終日は、月に一度設けている「ありがとうの日」についてうかがいました。

「協進印刷」の社是が、「ありがとう」(=「お客様から『ありがとう』と言っていただける仕事をしよう」)ということもありますが、「それ(ありがとう)を口にするだけでなく、実践したい!」と、毎月10日、ふたりペアとなり誰かステークホルダーに感謝を表す行いをしよう・・・と始めたのが「ありがとうの日」。

続けているうちに、それが実は、CSRの良いトレーニングになることがわかってきたといいます。企画書と報告書をちゃんと書くことによって、「ただ作っただけで、ありがとうも言われない・・・」という、よくある失敗にはならないことに気づいたとのこと。「社会に貢献した上で、会社も儲かる」ことに、とても役に立っているのだそうです。

さらに、このような活動を続けていくことで、仕事に対する意識も変わってきたようです。

「『ソーシャル・マーケティングの仕事』と呼んでいますが、そういうことに皆が気が付くようになり、その方面の仕事も増えてきました」と江森さん。「これまでのように印刷物を売るだけでなく、こちらから先にコト作りをする、コンテンツを先に作る、という意識になっているのが業態変革していくうえでとても有効です」と語っていただきました。

今週のお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は、『働き方改革で業態変革へ!』。働き方改革を推し進め、社会の変化に対応しながらどんどん業態を変革していかなければ、生き残っていくことはできないのかもしれません。

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