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子育てと仕事を両立させるための、シンプルで大胆な改革――ランクアップ

株式会社ランクアップは、オリジナルブランドの化粧品の開発と販売を行っている企業です。東京・銀座にオフィスを構え、従業員およそ100人。そのうち、8割が女性です。

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。本記事では、過去の放送の中から、オリジナルブランドの化粧品を開発・販売する「株式会社ランクアップ」の取り組みをご紹介します。

女性が一生働ける環境をつくるために

ランクアップが働き方改革に取り組むようになったきっかけは、同社代表取締役社長・岩崎裕美子さんが過去に苦悩した経験からでした。

岩崎社長が勤めていた以前の会社では、帰りが遅く休日出勤も多くあり、女性は結婚や出産をきっかけに、仕事を辞めてしまうことが多かったそうです。当時、営業本部長だった岩崎社長は、「女性が一生働き続けるのは難しいのでは……」と悩んでいたそうです。

岩崎さん3

岩崎社長

そこで、自分自身が一生働ける環境をつくるために、一念発起し独立。2005年、株式会社ランクアップを立ち上げました。

岩崎社長は自身が出産したときに、「仕事と子育ては両立できる」と過信していたそうです。しかし実際には、子どもの授乳や夜泣きのため、寝ないで会社に出ることも多く、想像以上の大変さだったとのこと。

当時は社員の結婚ラッシュだったこともあり、次は出産ラッシュが始まると考え、「今のうちにやっておかなければ」と、岩崎社長自身の経験から残業禁止を決めました。社員からは仕事が終わらないと反発が出ましたが、そうした課題はアウトソーシングやシステム導入によって改善していったそうです。

子育て中のママ社員へのサポート

子育てをしていると、子どもの発熱や授業参観などで、有休を取らなければならないことがよくあります。一日休まなくてもいいから時間単位で有休を取りたいという要望があり、まず「時間休」という制度をつくりました。野球観戦に行きたいから1時間休を取るなど、独身の社員からも好評で、気軽に取得できる制度となっているようです。

会社設立当初、岩崎社長は、長時間労働さえなければママ社員も一生活躍できると考えていました。しかし、子どもが熱を出すと親は仕事を休まなくてはなりません。

そこで、ママ社員の負担を軽くするために導入したのが、「ベビーシッター補助制度」です。ベビーシッターにお願いする金額に対して、社員の負担は300円。熟練のママ社員が辞めてしまうと、会社が立ち行かなくなることを防ぐための“本気の制度”だそうです。

働き方を選ぶのは、会社ではなく本人の自由

ランクアップの人事評価制度についても伺いました。

同社では、時短勤務の社員も、そうでない社員も目標設定は同じ。「時短勤務だから人事評価がB」になる会社があるようですが、ランクアップではシンプルに目標を達成するかどうかを評価基準としており、時短勤務を選ぶかどうかは本人の自由であるという考え方を採っています。

出産を経験する社員はいずれ増えていくので、時短勤務を選択した社員の人事評価を下げるという発想が、岩崎社長にはもともとなかったと言います。皆で同じ目標を持つことで、業務がうまく回っているそうです。

また、新型コロナウイルスの感染拡大で始まった「在宅勤務制度」は、現在では出勤してもしなくてもいいものになっています。会社でルールを決めず、働き方を自由に選べるようになっているそう。

昨年、学校が休校になり、子どもを預ける先に困った社員のために取り入れた「スーパーフレックス制度」。朝5時から夜22時までの間で組み合わせながら、規定の労働時間である8時間働くという仕組み。子どもの急な体調不良などにも合わせて、使えるようになっています。

ママになっても活躍を諦めなくていい社会をつくりたい

コロナ禍で在宅勤務を導入した企業では、社員間のコミュニケーションに課題があると感じているところも多いようです。ランクアップでは、在宅勤務での社員同士のコミュニケーションをどのように行っているのでしょうか。

同社では毎朝、オンラインで全社員の顔が見える朝礼を行っています。社員がその場でスピーチをするなど、社員同士のコミュニケーションの場として大きな役割を果たしているそう。

またランクアップでは、社員全員がインスタグラムの企業用アカウントを開設。全社員がインフルエンサーとなって、それぞれ好きなテーマで投稿する中で、愛用している自社製品についても発信しているとのこと。この取り組みによって、社員はお互いの近況がインスタグラムによって分かるようになり、非常に役立っているということです。

岩崎社長は「ママになっても、働き続けられるように考えた結果がこうなった」と、これまでの取り組みを振り返ります。

ランクアップでは結婚・出産が理由で辞めた人はほとんどおらず、さらに産休・育休の取得率は100%です。「女性は、出産による働き方の変化が大きい。でも、仕事が好きで活躍したい人はたくさんいる。ママになっても活躍を諦めなくていい社会をつくりたい」と、岩崎社長はさらに前に進みます。

女性活躍

株式会社ランクアップのお話から導き出す「WORK SHIFT」のヒントは・・・『子育てと仕事を両立させるための、シンプルで大胆な改革』でした。

女性の活躍が、企業の成長に必要なことは明らかです。そのための改革に「いつ取り組むのか」が鍵になりそうです。

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■「RECRUIT THE WORK SHIFT」バックナンバー

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