東京・渋谷に本社を構え、他にも北海道、青森、福島にサテライトオフィスとして拠点を置く株式会社ライトカフェは、「イツモトナリニライトカフェ」というコンセプトを掲げ、ウェブサイトやシステム構築など、ウェブサービスにおけるトータルソリューションを提供しているIT企業です。

同社の創業は、2000年5月。現在は、ライトカフェ単体では185名、グループ会社全体では500名の社員を擁する企業となっています。またライトカフェは、これまでなかなか実現が難しいとされてきた、IT業界におけるシルバー人材の起用にも成功しています。

J-WAVE（81.3FM）の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、さまざまな企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。本記事は、4月19〜21日に放送された、働く人が主人公となるACTIONを応援するプロジェクトに贈られる、『リクナビNEXT』主催 第7回「GOOD ACTIONアワード」で「ワークスタイルバリエーション賞」と「審査員賞」を受賞した、株式会社ライトカフェの取り組みをご紹介します。

シルバー人材起用の経緯

今回お話を伺ったライトカフェ 代表取締役社長の榊原喜成（さかきばら・よしなり）さんによると、シルバー人材の起用のきっかけは、青森県八戸市に家族がいる社員が地元に戻ることになったことから。

もともと少子高齢化や若年層の地元離れが進む中で、シルバー人材に注目していたというライトカフェでは、八戸にサテライトオフィスを開設する際の派遣社員として、シルバー人材の起用をスタートさせたそうです。

榊原社長

60～70代の方々で仕事が回るのか、最初は不安もあったそうですが、シルバー人材の人たちの適応力は高く、真面目に取り組む姿勢が若手社員にも良い影響を与えていると言います。

シルバー人材には、定年退職後のセカンドキャリアとして働いている方が多いようですが、その成功の秘訣は、任せた業務内容にあったそうです。

適所適材という考え方

AIに学習させる際、AIの精度を左右するという「教師データ」と呼ばれる重要な基礎データが必要で、その莫大な教師データを作る作業を「アノテーション」と言います。その業務を担当しているのが、シルバー人材の方々だそうです。

入力作業自体は業務としてのハードルは高くないようですが、本社と八戸のサテライトオフィスをオンラインでつないで研修を行ったり、あえて紙の研修資料を作成したりと、年配スタッフにとっても分かりやすいアプローチで業務指導を進めていったそう。正しい日本語が必要とされることから、言葉遣いが丁寧で語彙が豊富なシルバー人材の方々が活躍できる場となっています。

難しすぎず・簡単すぎない業務にすることで、飽きずに興味を持って行える作業にしたことが成功の秘訣のようです。

まず、やってみること

コロナ禍において、ライトカフェではリモートワークを導入し、年配スタッフもリモートで仕事を行っているそうです。オンライン会議システムをつないだままにすることで、オフィスにいるときと同じような環境をつくったり、スタッフ同士が分からない部分を相談し合ったりと、より豊かなコミュニケーションが取れるように配慮しているそうです。

IT企業でシルバー人材の起用というケースはなかなか見られませんが、榊原社長によれば「一番大事なことは、やってみること」と言います。

「できそうにない」という先入観をなくし、やってみるとできることの多さに驚くはず。今後は、業務をAIだけでなく、他の分野に広げたり、また別の地域でも実践したりしていきたいとのことでした。

ご紹介した、株式会社ライトカフェの取り組みから導き出す「WORK SHIFT」のヒントは・・・『適材適所ではなく、適所適材の考え方で人材登用』でした。

“シルバー人材だから何ができるか”ではなく、“この仕事ならシルバー人材が活躍できる”という考え方で進めることで、年配スタッフが輝ける職場はたくさんあるのかもしれません。

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