見出し画像

オンライン中心の働き方、文化を作るのは一人ひとりがパイオニア――ヌーラボ

J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

9月28~10月1日の放送は、「Backlog(バックログ)」をはじめとした、チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくするツールを提供する株式会社ヌーラボの働き方への取り組みをご紹介しました。

福岡市に本社を置き、6つの拠点で業務を進めているヌーラボ。170万人以上が利用するプロジェクト管理ツールであるBacklogの他、ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo(カクー)」、ビジネスチャットツール「Typetalk(タイプトーク)」など、自社のサービスも全職種で活用し、大半の業務をオンライン化しました。出社を前提としない働き方も進めています。

いま、あらゆる企業でオンライン化は進んでいますが、出社を前提としないワークスタイルが実現できている理由について、人事担当の安立沙耶佳さんに伺うと、成功要因の一つは「業務がオンライン化されていること」と教えてくれました。「誰が」「いつ」「何をやるか」が可視化、共有されているため、同じ時間で一緒に仕事をしなくても業務は進んでいくそうです。

つまり、社内のコミュニケーションや、そのツールだけでなく、“仕事自体がオンラン化されている”――。ここが一つのポイントのようです。

一見、オンラインですべてを解決していこうというスタイルにも見えますが、そういうわけでもないようです。ヌーラボの代表は毎朝チャットに挨拶を投稿。社員はそれを見て、代表が何を考え、会社がどういう状況なのかを知ることができるとか。また夕方、オンラインの雑談ルーム「おつまた(おつかれさまです、また明日の略)」では自由な雑談をします。月に1回の全社総会の後にはそのままブレイクアウトルームで雑談するというように、オフィスにいるときと近いような状態を作れるように努力しているそうです。

オンラインもオフラインもどちらも大事。コミュニケーションする相手は人間。仕事相手のことを知る“場作り”にも力を注いでいるところに、スムーズなテレワークを実現する秘訣が隠されているように感じます。

画像2

2004年に設立されたヌーラボ。今やスタッフも100人ほどになり、東京と京都、シンガポール、ニューヨーク、アムステルダムにも拠点を広げ、世界で400万人以上が利用するサービスを提供しています。

企業の成長とともに、通常の会社であれば増えるのが「中間管理職」ですが、ヌーラボはあえてこのポストを作らなかったそうです。その代わりにつくったのが、「Bridge(ブリッジ)」というチーム。これは1年に1回メンバーの入れ替えがあるリーダーチームで、固定化された役職で会社がピラミッド化するのを避けたいという思いで生まれたものだとか。

意思決定を分散させ、いろんな人がリーダーになれることで、会社にヒエラルキーを作らない。色んな人がリーダーになることで学べる機会も分散されるメリットもあるようです。フラットな組織を目指すヌーラボが、ヌーラボらしくあるままで拡大できるようにするためのチームということでした。

そして、出社を前提としないリモートワークスタイルを進めるヌーラボでは、今年から部署を超えた“斜め”の関係を作るため、あえて部署が違う人と雑談をする「Small Talk制度」もスタートさせたそうです。業務で直接関りがない人との“斜めの関係”、リモートワークではなくなりがちなコミュニケーションも大切にする姿勢が感じられました。

また、将来的なオフィスの縮小とテレワーク環境を構築してもらうことを見据えて、家庭での光熱費や通信費をケアするテレワーク手当も毎月1万5000円補助。 今後もそれぞれの社員に合った働き方が選択できるよう、オフィスの在り方も検討していくということです。

画像1

ヌーラボのもう1つのユニークな制度が、リゾート地でのワーケーションである「リゾートワーク制度」です。2018年から沖縄県宮古島市へ、2019年からは北海道東川町を追加し社員を派遣、現地の学校や企業と連携し、ヌーラボ社員がオリジナルの授業を企画、実施したといいます。社員は「人に物事を教える、伝える」という経験ができ、会社と地域には強い結びつきができたということです。また社員と同行する家族の人数に応じて手当を付与してくれるというのも嬉しい制度ですね。 非日常空間に身を置き仕事ができるリモートワークのメリットを活かした制度といえそうです。

自社で提供しているウェブコラボレーションツールを全職種で活用、大半の業務がオンライン化されているヌーラボ。出社を前提としない働き方は、社員の採用にも変化をもたらしていきました。

一般的に入社先を決める際に重視される条件が「勤務地」ですが、ヌーラボでは、現在採用をしている全ての職種から勤務地条件を廃止し、全国でフルリモートを前提とした採用を実施しています。「オンライン環境の中で協力できる、“協働”することができる能力」を測る採用フローの構築にも取り組んでいる他、全ての選考プロセスはオンラインで完結するそうです。

4日間にわたってご紹介した株式会社ヌーラボの働き方への取り組みから番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは『オンラインで共に働く文化は私たちが作っている!』でした。オフィスで、リアルに働いていた時代にはその時代の価値観、オフィス文化がありました。あらゆる仕事がオンラインに移行している今、その中での働き方、文化が生まれ、育っている真っ只中です。これまでと違うことが当たり前。一人ひとりがパイオニアです。

■「RECRUIT THE WORK SHIFT」バックナンバー

世の中のイノベーティブな「働き方」を朝の時間にお届け !『RECRUIT THE WORK SHIFT』(J-WAVE 81.3FM)は月曜日から木曜日まで、毎朝6:15ごろよりオンエア中です。
▼J-WAVE番組サイトはこちら
https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/quote/index.html
▼これまでの記事はこちら
https://antenna.jp/articles/5248566

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!