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生き生き働くためのセルフマネジメントのススメ(後編)

リクルートで働くその道のプロが「仕事探し」や「学び方」「美容」や「食」といった様々なテーマの最新トレンドについて語る番組『トレンドランナー』。第十四話のテーマは「働き方の最新トレンド」。リクルートワークス研究所 研究員をゲストに迎え、後編は「コロナ禍こそ!セルフマネジメントのススメ」について聞きました。

藤井:リクルートがお送りするポッドキャスト「トレンドランナー」。今回はリクルートワークス研究所の主任研究員 辰巳哲子さんをお迎えしております。

今回は「コロナ禍のセルフマネジメント術」について辰巳さんにお話を伺っていきたいと思います。辰巳さんよろしくお願いします。

辰巳:よろしくお願いいたします!

自分の“生き生き働く“を見つける

藤井:ということで、まずは「生き生き働くためにはどうすれば良いのか」から伺っていければと思います。

辰巳:前回、生き生き働くということが人によってすごく多様だということ、8つの要素というのは人によって組み合わせのバランスが違うということをお話しました。

8つの要素を使って、ぜひ自分が生き生き働く時に何が必要なのかということを改めて考えていただければと思っています。

「生き生き働く」のウェブサイト(※)にはワークシートを用意していますので、「生き生き働く」要素の中で自分がどんな要素を大事にしているか、ワークシートの中で質問に答えていきながら明らかにしていっていただけるといいなと思っています。
※P16参照

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藤井:質問に答えていくだけで、「自分ってこういう時に生き生きするんだな!」ってことがだんだん見えてくるシートになっているんですね。

辰巳:そうですね。自分がこれまでに気付いていなかった生き生きのポイントも見つかるかもしれないと思います。

藤井:シートを使って自分の生き生きしているもの、大事にしているものが見えてきたら、今度はそれを増やしていくための活用の仕方を教えてください。

辰巳:シートの中の質問に答えながら、ひとつでいいから「自分の手放せないもの」を改めて考えてみてください。

例えば、普段の生活の中では得られていたけど、リモートワークになって失ったことで初めて大切さに気づいたことってあると思うんですね。

「あ、思ったよりも私居場所感が大事だったな」とか「思ったよりも、もうちょっと周りの人の反応が大切だった」とか…。

ぜひ「私、こういうことが大事かも…」と思った時に、もう一度質問を見ながら、自分にとって大事なものに優先順位をつけてみてください。

藤井:ワークシートには冒頭8つの項目「活力実感」「強みの認知」「職務満足」「有意味感」「オーナーシップ」「居場所感」「持ち味発揮」「多忙感」について、質問がそれぞれ4問ありますね。

例えば「強みの認知」だったら、「私には強みがある」ということに対して、「全く重視しない」「重視しない」「どちらでもない」「重視する」「とても重視する」という5段階の項目でセルフチェックするということなんですよね。

辰巳:はい、そうですね。

藤井:そうすると、自分の中で「あ、ここって自分はすごい重視してるんだ、してないんだ」ということが見えてきて…、最終的には8角形のレーダーチャートができあがるんですよね。

辰巳:そうです。
できあがった8角形のチャート図は、個人個人で形がすごく変わってくると思うんですね。実際に書いていくと、「自分は活力実感よりも強みの認知の方がより大事なのかもしれないな」ということが、具体的に可視化できると思います。

“生き生き働く”を掘り下げる

藤井:掘り下げ方はどのように進めていけばいいんでしょうか?

辰巳:今回、生き生き働く要素の掘り下げ方についてキャリアアドバイザーの方にインタビューをしていまして、その中で得られたヒントをホームページに掲載しています。ぜひ、そちらもご覧いただければと思います。

例えば、「社会人になる前の経験の中で生き生きしていた時はどんな時ですか」「その時生き生きできていたのはどういう状態の時でしたか」ということを聞きます。もし「部活動の中で、チームみんなで達成した経験があって、その時が1番生き生きしてた」ということであれば、仕事を選ぶ時に、自分の立てた目標をクリアすることに加えて、仲間と一緒に目標を達成する経験があった方が、その人は生き生き働いている状態を実現しやすいんじゃないか、ということを検討します。

藤井:取りこぼしていた大事な要素も見つけられそうですね。

辰巳:まさに。自分や相手の強み・弱みって比較的見つけやすいと思いますが、どういう時に生き生き働いているのかは、なかなか見えにくいと思うんですね。

相手のことが見えてないだけじゃなくて、自分のこともひょっとしたら伝わってない可能性があるので、自分がどういう時に生き生き働けるのかっていうのを口に出してみるだけでも、働きやすくなったりするんじゃないかなと考えています。

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藤井:8角形だと、項目の良い・悪いだけじゃなくて、大きさも可視化できるのが、より直感的で良いですよね。

辰巳:そうですね。「ここはすごく大事で譲れない部分です」ということが、周りの人に受け入れられると働きやすい環境になりますよね。

藤井:リモートワークで働こうとすると、どうしても時間や場所といった、自分の外の条件ばかりを整備しようとしがちですけど、実は自分の心の内を見つめて、可視化するのは、とても大事ですね。

辰巳:私は調査で、1万人分の8角形を見たんですが、本当に形がバラバラで…、そのあと自分の職場でもやってみたんですけど、「同じ職場にいるのにこんなに多様でバラバラなんだ!」というのも改めてよく分かりました。

藤井:なるほど。おもしろい!
さらに、キャリアアドバイザーや上司、周囲の人とシェアしたり、「もっと自分はチームワークの仕事がしたいので、チームワークの仕事もさせてもらえますか」みたいな働きかけもすると、8角形も変わってきそうですよね。

辰巳:そうですね。上司との1対1の打ち合わせなどでも目標や強みだけでなく、「自分が大事にしたい働き方」も共有できるといいですね。
仕事の経験が変わると8角形が変わっていくこともあると思います。

藤井:自分の心の形を固定せず、より気持ちいい形の方に自分自身で仕掛けていける…。とてもおもしろいワークシートだと思います。

自分らしい働き方を考える機会に

最後に、新しい働き方が今求められているコロナ禍の時代、どうセルフマネジメントしていけば良いのかアドバイスをお願いします。

辰巳:生活が大きく変わっていく中で、体調や仕事のマネジメントはじめ、セルフマネジメントを改めて進めていくきっかけになったと思います。

そんな中で、国や企業が求めている働き方だけでなく、やっぱり自分自身がどうすればいいかということも考えていかなきゃいけない時代になってきています。

自分で「もっとこうしたい」「もっとこういう働き方をしたい」ということを考え、それを周囲に発信していくことで、個人も働きやすい環境を作っていけるんじゃないかなと思うんです。

これまでは環境も労働時間も会社で決められて…という時代だったと思うんですが、今後は自分の生活に合わせて、自分自身が生き生きできる働き方に目を向けていくような時代に、少しずつ変わっていくんじゃないかと思っています。自分にあった靴を探すように、自分にあった働き方を見つけてほしいと思います。

藤井:チャートを見ながら自分の過去の経験を振り返って、要素を分解して、「こういう時ってワクワク、生き生きしてたなぁ」ということを見つめるというのはすごい大事ですね。

ということで…、あっという間に2回目も過ぎてしまいました。辰巳さん、ありがとうございました。

辰巳:ありがとうございました。

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